中小企業は日本における企業数の約99%、従業員数の約70%を占めており、地域経済や社会を支える存在として、また雇用の受け皿として極めて重要な役割を担っています。
中小企業が事業承継を円滑に行うことで、日本経済の継続的な発展のために事業承継が必要不可欠です。事業承継といえば、かつては90%上が経営者の子息中心とした親族承継で行われていました。
株式が上場していない中小企業では、現在でも親族承継の場合が多く、全体の48%を占めています。経営者が築いた事業と資産を、親族が承継するのは自然な流れといえますし、経営者には最も安心できる事業承継であります。
しかも親族承継は、社員や取引先を含めた外部の関係者にも受け入れられやすい点でもメリットがあるのです。
「気心知れている自分の親族が後継者なら、事業承継は簡単だろう」と考える経営者が多いと想定されますが、親族承継であるからこそ、困難なことがあります。親族承継の場合は、経営者が持っている自社株譲渡で、概ね問題が生じるのです。
経営者から株式を引き継いだ場合に相続税や贈与税が発生して、後継者に多大なる負担をかける可能性があります。
それ以前の問題として、自社株の評価額を計算するには、会社の資産価値から株価を算定する必要があり、それは極めて複雑な方法です。しかも会社の規模によっても自社株の株価の計算方法は異なり、簡単なことではありません。
以上のことから専門の知識を用いて対策を講じることが最適なので、税理士に依頼する経営者が多いのです。
事業承継についての対策について、税理士に相談するタイミングが早ければ早いほど、手続きはよりスムーズに進めることができます。相続税や贈与税の納税が猶予してもらえることがあったり、最終的に税金が免除されることがある場合も存在します。
もちろん税理士の業務がが事業継承だけに特化しているとわけではありませんが、税務のプロである税理士であれば親族承継に伴う問題を、適切に対処していくことが可能なのです。しかも税理士は専門的な知識があるだけでなく、経営に対する知識が豊富だったり、社内や親族間など、企業における人間関係の様々な問題への対応に長けている税理士も、最近は多くなっています。
親族承継に向けた準備を効率的に進めるにあたって、税理士は貴重な存在となりえるのです。
税理士の支援を得ることは事業承継を親族承継で成功させるする上で、大変有益であると言えます。