翁氏「国民にわかりやすい社会保障改革が必要」 景気討論会
日本経済新聞社と日本経済研究センターは21日午後、東京・大手町の日経ホールで景気討論会を開いた。日本総合研究所の翁百合理事長は長期的な政策対応として「国民にわかりやすい社会保障改革が必要だ」と述べた。そのうえで技術革新やデジタル化を通じて医療費の削減や医療従事者の働き方改革を実施し、国民の社会保障における将来不安を減らすことが重要だとした。
サントリーホールディングスの新浪剛史社長や丸紅の柿木真澄社長は日本の生産性の向上や中小企業向けの支援策を訴えた。柿木氏は「日本は高齢者が増えるなかで生産性を高めていかないと価値が増えていかない」と述べた。新浪氏は「(中小企業の)事業承継をしていかないと匠(たくみ)の技も承継できない」とし、最低賃金の引き上げなどで人材の流動化の波を中小企業に広げていく必要があるとした。
日本経済研究センターの岩田一政理事長は「デジタル化とともに(データ分析などを活用する)デジタルトランスフォーメーションの活用が必要だ」と語った。直近の台風被害などでも人工知能(AI)の活用で被害を最小に抑える予測などで活用できるとした。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕