武蔵野銀行とインクグロウ、事業承継支援で提携
武蔵野銀行と経営コンサルティングのインクグロウ(東京・中央)は、企業の事業承継支援に関する業務提携を結んだ。同社が運営するマッチングサイトを活用し、後継者不足に悩む企業のM&A(合併・買収)の相手探しや交渉を武蔵野銀が代行する。情報収集の負担や事業譲渡への不安を和らげ、円滑な承継を後押しする狙いがある。
インクグロウが手掛けるサイト「事業引継ぎ.net」は金融機関のみがアクセスできる。事業譲渡・譲受を検討する企業を金融機関の担当者が経営者に代わって登録し、マッチングできそうな案件があれば、企業の意向を踏まえて金融機関同士で交渉する。
インクグロウによると、中小企業にはウェブサイトを通じた情報収集に不慣れな高齢の経営者が少なくないという。専用サイトを通じて企業と日常的に取引のある金融機関が交渉を代行することで、経営者に安心感を与える効果が期待できる。
インクグロウは2019年8月から同サイトの活用を始め、これまで北陸や静岡県、長野県の金融機関と提携している。武蔵野銀は関東で初めての事例で、埼玉県を足がかりに関東全域の地域金融機関とのネットワークを構築したい考えだ。
地方銀行や信用組合、信用金庫の最新ニュースをまとめました。人口減少が進む地方で経営統合による経営力強化や新規事業、地方企業育成などを進める各金融機関の最新ニュースや解説をお届けします。