福井銀行と福邦銀行、人材紹介に参入
福井銀行と福邦銀行は29日、人材紹介業に参入すると発表した。12月2日から業務を始める。両行は包括連携に向けて協議を進めているが、求人や求職者の情報は共有せず、各行の顧客に対してそれぞれ必要な人材を紹介する。2020年3月までに共同で経営者向けセミナーを開催するほか、求職者と求人のある会社をつなげる交流会の共同開催を計画する。
両行とも11月1日に許可を得た。福井県内では有効求人倍率が高止まりを続けており、事業承継に悩む企業の後継者候補や、新規事業が開拓できる専門技術者などの高度な人材のニーズが高まっていた。両行はそれぞれ顧客の経営課題解決のためにコンサルティング機能を強化しており、その一環として人材紹介業への参入が必要だと判断した。
両行とも、顧客から人材紹介の依頼があれば連携する人材紹介会社を通じ、ニーズに合う求職者を紹介してもらう仕組み。福井銀は日本人材機構(東京・中央)とヒューレックス(仙台市)と連携する。福邦銀はパーソルソルキャリア(東京・千代田)と連携する。
福井銀行営業企画チームの米村学チームリーダーは「福邦銀とは顧客層が異なり、営業的に衝突することはないはず。まずは人材紹介のノウハウを蓄積し、年10件程度の成約を目指す」と話す。
銀行の人材紹介業務は金融庁が18年3月に監督指針を緩和したことで可能になり、全国的に参入する金融機関が広がっている。北陸3県でも7月に北陸銀行が参入、富山銀行も来春の参入を見込んでいる。
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