百五銀、事業承継の投資会社を設立 5%超出資も検討
百五銀行は3日、取引先などの事業承継を専門に扱う投資会社を17日に立ち上げると発表した。銀行による事業会社への出資は議決権ベースで原則5%だったが、10月に規制が緩和された。新会社は30億円規模のファンドを設立し、5%超の出資も検討する。銀行が資本関係を深めることで出資先の円滑な事業承継を後押しする。
新たに投資会社「百五みらい投資」(津市)を設立する。資本金は7000万円で、百五銀が全額出資する。銀行本体からの出向や転籍などの職員を加え、まずは8人体制でスタートする。
新会社は2020年1月にも30億円規模の事業承継ファンドを立ち上げる。ファンドの資金は百五銀と共同で拠出する。5年をめどに株式を持ち、出資先の事業を支援する。独自の技術を持ちながらも後継者不在などに悩む企業への出資を想定する。最大で100%出資も検討する。
経営者の高齢化が進むなか「後継者がいない企業が増えている」(百五銀)。地域の有力企業が後継者不在で廃業などとなれば地域経済にも悪影響を与える。新会社は百五銀と取引先がない中部企業などへの出資も視野に入れる。