福岡銀行と沖縄銀行が連携協定、M&Aや再開発で協力
ふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下の福岡銀行と、沖縄銀行は20日、地域経済活性化に関する連携協定を結んだと発表した。各行が持つ顧客基盤や営業ノウハウを相互に活用し、取引先の販路拡大やM&A(合併・買収)を通じた事業承継などを支援する。
福岡銀行がタイなどアジア7カ所に持つ駐在員事務所のネットワークを生かして沖縄企業の海外展開を支援したり、沖縄県内の大型再開発案件に福岡銀行が関わったりすることを目指す。担当者の人材交流も検討する。
沖縄県は県内総生産が2015年までの10年間で11%増え、人口も当面増加する見通し。福岡銀はM&A仲介で手数料収入を得たり、再開発案件に融資して利息収入を得たりするなど、沖縄銀との連携で沖縄経済の成長を取り込む。
他方で沖縄銀行は「福岡銀はプロジェクトファイナンスなどで優れたノウハウを持ち、取引先に多様で付加価値が高いサービスを提供できる」(総合企画部)とする。
両行は相互に株式をわずかに保有しているが、今回の連携協定で追加出資はしない。将来的な経営統合なども検討していないという。両行は互いの県で支店を持たず、地場企業との取引もほとんどなかった。
今回は沖縄銀側の申し出で、連携関係を強化することにした。沖縄銀はふくおかFGのフィンテック子会社、iBankマーケティングに17年に出資し、スタートアップ向けのイベントを共催するなど、デジタル分野で両行は協力してきた。
沖縄県を地盤とする地方銀行には沖縄銀行のほか、琉球銀行と沖縄海邦銀行がある。日銀那覇支店によると地元3行の貸出金利(新規)は10月末時点で1.7%と全国地銀の0.8%より高い。15年には九州フィナンシャルグループ傘下の鹿児島銀行が進出するなど、注目が集まっている。