函館市の20年度予算2%減、駅前など街づくりに重点
北海道函館市は7日、2020年度当初予算案を発表した。一般会計の総額は1348億円と、工藤寿樹市長3選後の19年度6月補正後の19年度予算額と比べて2%少ない。子育て世帯支援など福祉を拡充し、観光への効果も大きい街づくりや水産振興に力を入れる。
函館駅周辺では、百貨店「棒二森屋」跡地再開発に向け測量などに4800万円を支出する。再開発の準備組合が25年度の完了を見込む事業費は約190億円。函館市は市と国が各25億円程度を支援することを想定しているが、施設の設計などにより変動するという。
19年度からクルーズ客船が寄港している函館駅横の若松埠頭では、訪日外国人ら船客を迎えるターミナルやバス乗降場を整備する。「五稜郭にぎわいプロジェクト」「湯の川温泉地区の活性化」などで他の観光地・繁華街にも誘客を図る。
産業関連ではロボット導入研究会の設置による生産性向上、後継者難による廃業などを防ぐための事業承継対策を推進。首都圏などの人材にインターネットなどを活用して働いてもらう「ワーケーション」や「海洋資源を使った新産業創出の研究」「スマート農業支援」なども盛り込んだ。
市税収入は318億円とほぼ19年度並みを見込む。特別会計、企業会計を合算した20年度予算の総額は2655億円。