岡山市、20年度予算案3432億円 子育て支援拡充
岡山市は17日、一般会計で総額3432億6300万円の2020年度予算案を発表した。19年度当初比3.7%増で、4年連続で過去最高を更新した。22年秋に開業予定の新しい文化施設の整備費を中心に、街中の回遊性向上やにぎわい創出に向けた施策を充実させた。保育士確保策など、待機児童対策や子育て支援も拡充した。
新しい文化施設「岡山芸術創造劇場(仮称)」の建設事業費は73億900万円。岡山城の魅力アップでは、22年度のリニューアルオープンに向けて耐震補強や内装改修に2億2400万円を充てる。岡山電気軌道(岡山市)の路面電車の乗り入れを含めたJR岡山駅前広場の整備でも、本格工事の開始へ5億5900万円を計上した。
待機児童対策では、今後3年間で500人の保育士が必要と試算。民間保育士の処遇改善へ賃金の上乗せ幅を従来の平均2%から3%に拡充させるなど、大森雅夫市長の査定で4億2800万円を追加した。産業振興では、主に中小企業への支援策を強化。事業承継やM&A(合併・買収)に必要な経費の一部助成や融資制度の創設へ、2300万円を充てる。
市債残高は新文化施設建設費などで前年度比で124億円増えて3479億円になる見込み。ただ、合併推進債など地方交付税の算入率が高い有利な財源を最大限活用し、将来への財政負担を抑制するとしている。大森市長は記者会見で「財政健全性を堅持したうえで、未来に向けて安定した予算編成ができた」と強調した。