中小企業の事業引き継ぎ、支援策拡充 法案閣議決定へ
政府は10日、中小企業が事業を引き継ぐ際に、経営者の個人保証を不要にする制度を盛り込んだ中小企業成長促進法案を閣議決定する。体力のある中小企業が後継者を見つけられずに廃業する事態を防ぐ。中小企業が大企業に成長したあとも中小向けの支援策を利用できるようにする制度も設ける。開会中の通常国会に提出し、秋ごろの施行をめざす。
信用保証協会が経営者の個人保証を肩代わりする新制度をつくる。個人保証の存在は中小企業が事業承継をためらう一因になっている。現在は保証協会から最大2.8億円の保証を受けることが可能だが、経済産業相の認定を受けた中小企業は承継の際に別枠でさらに最大2.8億円分の保証を引き受けてもらえるようにする。
中小企業が事業の拡大を理由に公的支援を打ち切られるという懸念を持たないよう、支援制度も見直す。中小企業の定義は中小企業基本法に基づいて資本金3億円以下、または従業員が300人以下などと定められている。国や地方自治体が地域活性化に重要と認めた場合は大企業へと成長した後も最大5年間は低利融資などの特例を受けられるようにする。
中小企業成長促進法案は事業承継を後押しする経営承継円滑化法の改正案などを束ねている。