事業承継支援で提携 常陽銀、インクグロウと
めぶきフィナンシャルグループ(FG)傘下の常陽銀行は経営コンサルティング会社のインクグロウ(東京・中央)と業務提携した。同社運営のマッチングサイトで取引先企業の事業承継を支援する。同サイトは金融機関がアクセスでき、顧客の要望や意向に沿って金融機関同士で交渉する。事業承継のニーズが多様化する中、広域でマッチングする体制を整える。
同社のサイト「事業引継ぎ.net」を活用する。売り手企業、買い手企業の事業概要などを匿名で常陽銀の担当者が登録して利用する。企業側がサイトへの登録や交渉をする必要がなく、負担感を和らげたり、交渉手続きを円滑に進めたりしやすくなるという。
取引先企業から常陽銀に寄せられるM&A(合併・買収)の相談件数は年々増加しており、2019年度は第3四半期までで約400件に上る。他地域への事業拡大をはじめ企業のニーズが多様化し「地域内だけでのマッチングが難しくなっている」(営業推進部)。
こうした現状を踏まえ今後も広域でのマッチングに力を入れる。2月下旬にはめぶきFG傘下の足利銀行のほか、百十四銀行、十六銀行、南都銀行、山口フィナンシャルグループとM&Aに関するマッチング業務での連携を発表している。
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