りそな純利益13%減 前期 新型コロナの影響「2年続く」
りそなホールディングスが12日発表した2020年3月期の連結純利益は前の期比13%減の1524億円だった。新型コロナウイルスの拡大に伴う金融市場の混乱で、株式など有価証券の運用益が想定を下回った。投資信託や保険など金融商品の販売も低調だった。
融資先の業績悪化に備える貸倒引当金を前倒しで計上したが、人件費や物件費の削減で全体の経費率は約63%と2ポイント近く改善。本業のもうけを示す実質業務純益は2419億円と7%の増益を確保した。
今期の与信費用は前期のおよそ2倍となる500億円としたうえで、連結純利益は21%減の1200億円を見込む。記者会見した南昌宏社長は新型コロナの感染拡大が9月末までに峠を越えるとの見通しを示した一方、「内需の落ち込みなど厳しい状況は2年程度続くだろう」と話した。
あわせて公表した3カ年の中期経営計画では、23年3月期の連結純利益を前期から5%多い1600億円を目標値とした。長引く低金利で貸し出しに伴う収益の回復を見込みづらいなか、中小企業の事業承継や個人の資産運用など手数料の底上げで「事業基盤の再構築」(南氏)をめざす。