格安スマホ、14%増の1500万回線 MM総研調べ
調査会社のMM総研(東京・港)は17日、ソフトバンク系の「ワイモバイル」を除く格安スマートフォンの市場動向を発表した。2020年3月末の契約数は前年比14%増の1500万回線だった。楽天の本格参入やKDDIによる傘下の格安スマホ「UQモバイル」の事業統合を受け、低価格スマホ領域の競争環境はさらに厳しくなるとみる。
携帯キャリアから回線を借りて格安スマホのサービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)の契約件数をまとめた。ワイモバイルはソフトバンクのブランドの一つの位置づけで、回線を借りてはいないため調査には入っていない。
20年3月末時点の携帯電話全体の契約数は1億8313万回線。うちワイモバイルを除く格安スマホが占める割合は19年3月末の7.8%から8.2%に伸びた。
格安スマホ事業者別のシェアでは、首位は楽天モバイルで16%だった。楽天は自社回線を使った携帯電話事業を始めた4月以降はMVNO回線の新規受付を停止している。2位のUQコミュニケーションズは15%、3位はインターネットイニシアティブが12%で続いた。19年9月と比べてシェアを高めたのはUQコムとビッグローブのKDDI系2社だった。
KDDIは10月にはUQモバイルをUQコムから事業承継し、auと一体で運営して競争力を高める方針。ワイモバイルも単独でのスマホ契約数が3月までに500万回線を超えるなど成長を続ける。MM総研は楽天の本格サービス開始も受けて低価格スマホ市場の競争が厳しくなる中、キャリア傘下でない独立系のMVNO事業者は苦戦が続くと予想する。(藤井太郎)