トランビ、長野県上田市と包括提携、事業承継で
M&A(合併・買収)の情報サイトを運営するトランビ(東京・港)はこのほど長野県上田市と、上田商工会議所など市内の三商工団体と包括連携協定を結んだと発表した。事業承継やM&Aを促進し、同地の中小企業を継続的に支援する。
トランビの情報サイト上に上田市の自治体ページを開設。同市内の事業売却の案件を広く全国に知ってもらう機会をつくる。上田市への移住を検討してもらうため、同市の魅力を発信する事業も手掛ける。同サイトは月100万回の閲覧件数があるという。事業承継やM&Aの交渉時に専門家に相談しやすくする体制の整備や、支援人材の育成などでも連携する。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の停滞で、地方都市のインフラなどを担ってきた中核企業の採算が悪化。ひいては倒産して生活に欠かせないサービスが損なわれる懸念が強まっている。早い段階で事業の担い手を探し出し接触できる仕組みを整えることが、地域の経済を持続させる解決策になると判断した。
事業を承継するのはこれまで家族や社員などが中心だったが、政府の後押しもありここ数年で「第三者事業承継」と呼ばれる事業売却を通じたケースもじわり増えつつある。一方、経営者の中にはIT(情報技術)に詳しくなく、情報サイトの存在を知らなかったり、うまく利用できないケースもあったりする。商工会議所や銀行など地域経済の中核組織とのつながりを強化し、利用を手助けすることが重要になっている。