デジタルシフト・デジタルトランスフォーメーションが必要な企業が増え、セミナー・ウェビナーが活発に行われる中、顧客・社員のアンケートを収集することに困っている企業・経営者・社長向けに無料で活用できるアンケートツールとアンケートを取る方法をまとめてみました。
ウェブサイトやサービスサイトをお持ちの企業様は多くいらっしゃいますが、普段どのような目的で運営されているでしょうか。
商品の告知、プレスリリースに付随する情報発信・通販サイト等々多岐に渡ると思います。
一方で、サイトを見に来る方はどのような目的を持っているのでしょうか。
他社の類似製品と比較したい、問合せをしようか迷っている、価格がいくらか知りたい、お店の情報を知りたい・・・。
恐らく、サービス提供をされている事業者様以上に、多様な目的を持って閲覧していることでしょう。
サイトへ来訪している人のうち、どのような来訪目的での来訪比重が高いかを知ることができれば、
ウェブサイトをエンゲージメントの場とすることが可能になります。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ウェブ上でもアンケートを取ることが可能です。
2020年現在、緊急事態宣言に端を発し、半ば強制的にウェブ活用にシフトをしています。
本記事では、アンケートの概要や設計時の必要事項をご紹介いたします。
ウェブ、デジタル、ITを活用した事業展開の参考になれば幸いです。
いまだに紙を中心としたアンケートを取得している企業には是非ともこのタイミングで、
ウェブで顧客・社員の声を取ることをお勧めしたいと思います。
アンケートは、大きく次の2つに分類されます。
上記説明だけを見ると、全く異なるものと感じる方が多いのではないでしょうか。
異なることは確かですが、実は、これら調査は”併用をする”ことでより大きな成果が期待できます。
それぞれの調査のメリットと注意点を、以下に整理します。
調査手法 | メリット | 注意点 |
定量調査 | 回答結果を数字で把握し、表やグラフにして把握が容易。 設計次第では、時系列や年齢等の条件と掛け合わせた集計も可能。 | 目的に沿った質問内容や文章を考えないと、回答結果を見ても判断ができなくなってしまう可能性がある。 |
定性調査 | 多様な視点や意識を発見でき、潜在的なニーズを考える際の仮説材料に繋がることがある。 | サンプル数が少なく、統計的な信頼性が出ない。 質問者、回答者や会場の手配、結果集計等で手間と費用が掛かる。 |
それぞれの注意点を、互いにメリットで補い合っていることがご確認頂けると思います。
併用にあたり、前後の決まりはありませんが下記のような違いがあります。
✓定量調査→定性調査
おおよその傾向をつかみ、より具体的な内容を掘り下げて調査する形式です。
結果の裏付けを厚くすることで、より強固な実証性を持たせる場合に特に有効です。
✓定性調査→定量調査
意思決定の要因や選択肢のうち、どちらがより汎用的なのかを調査する形式です。
得られた示唆が、どの程度の有意性を持つかを把握する場合に特に有効です。
アンケートの種類は多種多様ですが、ここではウェブでのアンケートを例にそれぞれの例を記載します。
あらかじめ選択肢があり、回答者は選ぶだけの場合がほとんどです。
稀に自由回答となることもありますが、その際も必ず「数字」で回答する形式になります。
例)今回のセミナーの満足度は何%ですか? 等
無料で利用できるGoogleフォームを例に、定量調査の設問例を以下に記載します。
回答が予め用意されており、さほど心理的なハードルは感じないのではないでしょうか。
少し内容は逸れますが、人材採用選考の過程で企業が実施する適性検査も、定量調査の一種です。
設問が投げかけられ、自由回答の形式をとります。
実際に、回答者のつもりでご覧ください。
いかがでしょうか。ちょっと回答が億劫になったのではないでしょうか。
知りたいことをそのまま設問で重ねていくほど、回答は解きにくくなっていきます。
アンケートを設計する際、最も大事なことが「目的」の整理です。
目的を具体的に設定できれば、自ずとアンケート設計が見えてきます。
例)BtoB向けソリューションの場合
目的:顧客満足度を四半期に一度調査しプロモーションに活用することで、Webでの
新規問合せ率を前期比で改善し続ける。
このように目的を具体的に設定し、次のように情報整理を行います。
・ターゲット:既にソリューションを導入している既存顧客の担当者
・連絡/実施方法:メールで告知し、Webにてアンケートを行う
・告知数:30,000
・最低サンプル数:1,500
・想定回答率:5%
こうした情報から、下記のような基本設計への落とし込みを進めます。
例) アンケート基本設計
・ソリューションの品質向上のため、どの担当部署がどのように結果に影響を与えているかを把握できるようにする
・回答率を上げるために、インセンティブを付与する
→ソリューションの有償オプションをサービスする
・不満な回答があった企業に対しては、アンケートご後に直接フォローアップができるよう回答者を把握する
実際にアンケートへ反映すると、以下のようになります。
アフターサービスであればカスタマーサポート部門へ、ソリューションのアップデートであれば商品開発・企画部門の満足度へ直結します。
あくまでも例で記載していますが、導入されているお客様に対し、どの部門がどれほどの役割で貢献できているのか、
また、その部門に何が足りないのかを把握することに役立ちます。
アンケートの結果から、次の四半期での部門の取組事項を策定して次の四半期では改善をすることで満足度を向上させることが、
ソリューションの総合満足度の向上に繋がることが想像できます。
Webサイトやカタログに「満足度●%」と反映したり、要望の多かった機能を拡充した際にプレスリリースを配信したりすると、
より良いソリューションを作り上げる姿勢が伝わり、サービスの品質が上がっていくのではないでしょうか。
仮に、「現在の顧客満足度を把握する」という目的設定を行い、そのままアンケートにしただけではこのようなサイクルは生まれません。
アンケート結果を、何に使いたいのか。ただ聞いて知るだけではなく、聞き・知り・理解することで何がしたいかを考えることが、アンケートの価値を左右します。
また、回答者の心理状況や環境を考えることも非常に重要です。
・定性情報を必須にするかどうか
・回答率を上げるためにはどうするか
・いつ告知し、いつ回答してもらうか
これらを考えておくだけで、回収できるサンプル数や質は大きく変わります。
今回のBtoBの事例であれば、金曜の夜や土日に告知をしても回答数が少なくなることが予想されます。
告知がしっかり伝わること、その際に、負担の少ない内容であること、答えるメリットがあること、
これら配慮ができるとアンケートデータを活用した事業改善が習慣化されていくことが考えられます。
まずは費用をかけずに、アンケートを実施してみたいとお考えの企業様も多いと思います。
無料で使えるアンケートフォームを2つご紹介します。
ネットリサーチ国内実績No.1の「マクロミル」がつくった、セルフアンケートツールです。
年間20,000件を超える調査実績があるマクロミルのノウハウがシステムにつまっていて、
初心者でもまるで画面と会話をするように、かんたん、直感的に無料で
Webアンケート作成ができるアンケートツールです。
https://www.google.com/intl/ja_jp/forms/about/
Google社が提供するアンケートフォームで、当記事での例示にも利用しています。
写真やロゴを使用すると自動的に合う色が選択されるほか、さまざまなテーマから
ふさわしい雰囲気のものを選ぶこともできます。
選択式、プルダウン形式、評価スケールなど、さまざまな形式の質問から選択できる他、
リアルタイムの回答状況やグラフを見ることも可能です。
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