お客様の「やりたい、なりたい」を実現するために、ビジネス売買のマッチングプラットフォームの運営や人材育成、オンラインコミュニティの運営と幅広くご支援されているBish株式会社。
SBIホールディングスでのM&Aプロジェクトや、子会社の企画・立ち上げに従事してきたご経験を活かして活躍されている代表の齋藤 吉秀氏に伺いました。
M&Aとの関りが深かったサラリーマン時代
――Bish株式会社をスタートされた背景をお聞かせください。
私は新卒でSBIホールディングスへ入社しました。当時、ファイナンスの知識を有していたものの、製薬会社へ配属となりました。そこでドイツの製薬会社をM&Aで買収するというプロジェクトに参画したことがM&Aとの初めての出会いです。
M&Aを実施するにあたり、社内の法務担当者と連携しながらデューデリジェンスを行ったり、M&Aにおける一連の流れを経験させてもらいました。また、買収後はドイツへ出向となり、ドイツ側と日本側の調整役としてPMIも経験しました。
帰国後、SBI証券の経営企画部へ異動となってからは、子会社の立ち上げや組織再編などを検討する業務に携わりました。組織を動かしている感覚を感じることができ、それがとても楽しくやりがいを感じる業務でした。
――自身のキャリアに、M&Aとの関りが意外と多かった。
その後、LINE株式会社へ転職し、M&Aとは直接関りのないAI事業部へと配属になりましたが、中小企業様と触れ合う機会が多々あり、「ビジネスを始めるためにM&Aで事業を買収する」「一事業を切り離して売却する」「引退するから売却する」といった、中小企業におけるM&Aに対するニーズを再認識することができました。
M&Aニーズに対して何かできることはないかと考えてみたところ、私自身のキャリアの中でM&Aに携わる機会が多かったことを再認識しました。自分でもこれほどM&Aに関わっていたことは意外でした。そこからM&A・事業売買のサービスを企画し、スタートしたのがBish株式会社です。
お客様の「やりたい、なりたい」を実現するためのサービス
――御社の事業内容をお聞かせください。
弊社は、お客様ひとりひとりの「”やりたい・なりたい”を実現する。」をビジョンとしています。その実現のため、3本のサービスを軸にサポートしています。
ビジネス売買PF
基本的には、小規模案件がメインで、中小企業や個人ビジネスを中心にビジネスを売りたい人・買いたい人を探せるプラットフォームです。
仕組みは非常にシンプルで、まず会員登録して頂き、売却したければ「案件登録」、事業の買収を検討されている場合は「買いニーズ登録」をして頂いています。その後、登録案件に興味を持たれた方が交渉リクエストをします。リクエストを受け取った側が”承認”することでマッチングが成立します。マッチング成立後はメッセージのやり取りを開始することができます。
ビジネス売買PF:https://bishgroup.co.jp/
【マッチングまでの流れ】
①会員登録 ⇒ ②売却案件登録 or 買いニーズ登録 ⇒ ③気になる方や案件へマッチング申請 ⇒ ④承認 ⇒ ⑤メッセージ開始
人材育成サービス
M&Aを通じて経営目線を学べる「経営・M&Aコース」と、私自身のSBIホールディングスでの業務や起業の経験からお伝えする「起業・新規事業コース」の2コースございます。
M&Aコースは、M&Aを実施するために必要なスキルを学ぶことができます。具体的な内容として、財務諸表の見方から始まり、ビジネス(事業内容)の理解や分析、IM(企業概要書)の作成等です。これら一連のカリキュラムを通して、財務や事業内容を分析できるスキルを身に着けることで、実際のM&Aを実施するために必要な知識・スキルを習得することが可能です。
会社員の方がご自身のスキルアップとしてご活用頂くことも可能ですし、更に、社員研修にも非常に有効だと考えています。
オンラインコミュニティ
学んだコトを実際にアウトプットする環境としてオンラインコミュニティを開設しています。起業や新規事業創出を目的とし、実践を通し、またプロジェクトを共有しながらスキルの獲得を目指すことが可能です。
ビジネス売買PFの料金体系
――ビジネス売買PFの料金体系をおきかせください。
本プラットフォームではマッチング発生時にのみ料金が発生します。マッチング申請を送るために事前に「マッチングポイント」を購入して頂く必要があり、本マッチングポイントがユーザー様にお支払い頂く唯一の費用です。
また、承認された場合のみマッチングポイントが消費されます。既に他の方と交渉が行われている場合などに「申請拒否」となる可能性がありますが、申請が拒否されるとマッチングポイントは返還されます。また、一度申請をした際にご自身でキャンセルしてもマッチングポイントは返還されます。
――他社と違ったユニークな料金体系と取られているのはなぜですか?
私自身も、本事業の立ち上げを検討していた際に”M&Aで事業を買収してスタートしたい”と考え、M&Aマッチングプラットフォームに登録していた経緯があります。
利用していたマッチングプラットフォームでは、買い手として使用する際は利用料金として最低でも数十万円を支払わなければならず、ユーザーとしてその料金に少し疑問がありました。マッチングプラットフォームであるなら、そのマッチングに対して費用が発生すべきだと思いました。
そこで考えたのが、現在のマッチング時のみ料金をお支払い頂く形態です。
M&Aアドバイザーとしてもサポート
――プラットフォームにおける案件のご登録状況はいかがですか?
事業を始めて間もないことや、まだPR等の広告を実施していないこともあり、掲載案件自体はまだまだ少なく、これから増やしていかなければいけないというのが現状です。しかし、数万円~数十万円の案件でもご利用頂ける料金体系にしていますので、掲載案件はこれからどんどん伸ばしていけると考えています。
また手軽に利用できるサービスとして、今後出てきて欲しいと思っている活用方法が、個人で事業をされている方が経営パートナーや投資家を探される際に本マッチングサービスを利用して頂くことです。マッチングすることの価値を汎用的に最大限引き出せればと考えています。
――実際にご支援されている事例はございますか?
プラットフォームに掲載して頂いている「美容室の売却案件」で、M&Aアドバイザーとしてサポートさせて頂いております。私自身のM&Aや起業の経験を活かして、ヒヤリングを行って財務諸表などのデータを共有して頂き、実際にIM(企業概要書)を作成して買い手候補様へアプローチしています。
プラットフォームを通してマッチングをするだけではなく、M&Aを促進するためのサポートにも取り組んでいます。
小規模事業者への支援の充実
――御社の強みをお聞かせください。
”M&Aに重心を置いていないこと”が良くも悪くも我々の特徴であり、強みです。我々はお客様のやりたい事やなりたい姿を実現することが最大の目的であり、そのためのサポートのひとつとしてM&A・事業売買支援に取り組んでいます。
ビジネス売買PFも、収益化や業界の一般的なやり方を踏襲するのではなく、サービスを活用頂くユーザー様にとって必要なものは何かということを考えて運営しています。
――今後注力していきたい支援はございますか?
ビジネス売買PFについては、「ビジネス版のメルカリ」にすることが私の理想です。
例えば、ユーザー様が「このビジネスをやってみたいな。」と考えた時に、Bishをご活用頂いて手軽に事業を買収できて、はたまた「他のビジネスをしたい。」と考えた時には手軽に既存の事業を売却できるようなプラットフォームにしたいと考えています。そのためにも、サービスの充実させるために継続的に取り組みたいと考えています。
今後は、大企業と小規模事業者の二極化が加速すると考えています。個人で取り組まれているような小規模事業者が楽しく充実した毎日を過ごすために支援したいと考えています。
事業売却・買収をお考えの経営者へのメッセージ
――最後に、事業売却・買収をお考えの経営者へメッセージをお願いします。
事業売却をお考えの経営者様
昨今は、M&A・事業売却が一般的となり、「売ることが悪いことではない。」と認識されてきました。合わせて、経営に縛られる必要も無くなりつつあると考えています。
従業員の方や取引先の方のことを考えると、重圧もあり大変なことも多いと思いますが、全て抱え込むのではなく、経営の一環として是非M&A・事業売却を検討して頂ければと思います。
事業買収をお考えの経営者様
個人で買収される方も増えてきていますが、買収を決断される際はやはり一定の覚悟を持たなければいけないと考えています。M&A・事業買収の知識が無い場合だと、買収後に苦労してしまう可能性もあるので、まずはしっかりとM&A・事業買収に関する知識を養い、経験を積んだうえで実行に移って頂ければなと思います。
それが、自分にとっても良いと思いますし、売り手様にとっても「この人なら任せられる。」と思って頂けるのではないかと思います。
代表:齋藤 吉秀 氏
SBIホールディングス(株)に入社後、同社にてM&Aプロジェクトに従事し、買収後は統合作業の為、買収先のドイツ法人に1年間出向。
出向解除後は、(株)SBI証券 経営企画部にて子会社の企画・立ち上げや業務効率化プロジェクト等に従事。グループ内異動で地方銀行とのRM及び地方銀行などに向けた新たなアプリ事業の企画推進を行う。
LINE(株)に転職し、AI(人工知能)事業企画チームにてアライアンス担当としてパートナープログラムの立ち上げ・運営の他、グループ内外でのAI導入促進に従事。
2020年10月にLINE(株) を退職し、当社創業。新規事業企画・推進及びM&AやDXを中心とした経験とノウハウを活用し、「できない」「仕方ない」を無くすことで一人一人が思いやアイディアの”wish”を実現し活躍する時代を創ることを目指しています。