大手企業に太刀打ちできなくなってしまう中小企業を救う為に、解決課題の追及から改善方法提案までの業務コンサルティングをされる合同会社BPRサービス。どの様な取り組みをされているのか代表 岡部吉成氏にお話を伺いしました。

 

事業をスタートされたきっかけを教えてください。

もともと中小企業(製造業)の営業から始まって事業開発・業務改善等の会社がより良くなる業務をしていました。その中で、中小企業の現状を考えた時に従来のマンパワーに依存したやり方では将来的に全く勝負にならない事業環境になってしまうという心配が大きくありました。

大企業は、ITを駆使したり、他社とコラボしたりと生産性向上を図り、中小企業とはコストに大きな差が出ます。大企業は、大量生産や大量の人員などと数の理論だったと思いますが、それ以外の優位性がどんどん生まれてきています。

今まで中小企業の最大の利点であった、『かゆい所に手が届くサービス』という長所が、大企業の生産性向上で時間や人手が増えたことにより、大企業もその様な細かなサービスが提供できるようになってきています。

中小企業が危機感を覚えて新たな取り組み等の行動をしようとしても間に合わない状況になってしまうのではないか、という焦りを感じて一社でも多くの会社の変わるお手伝いをするため起業しました。

https://bpr-s.jp/

以前、事業改善に従事していた際にその様な危機感を実感することはありましたか?

製造業ですから、金額勝負ならば小回りが利く分勝てることもありました。しかし、どう考えてもコストに見合わない見積りを出すところが出てきました。それは人の目や手を使った検品や仕訳をしない分安くなる技術によるものでした。また、サービス面でも今まで営業がこまめに顔を出してくれるから、と選んでくれていたお客様へ「○○のシステムを無料で提供してくれるんだよ。御社じゃ無理でしょ?」と申し訳なさそうに切り替えるお客様もおられて、努力と身を切るだけの値引きでは厳しくなっていると感じました。

 

ーーー具体的なご支援内容を教えてください。

BPRという社名の通り、事業の再設計をテーマにした会社となります。

業務改善というレベルではなく、より根本から考え方ややり方を見直し変えていく業務改革を目指しています。オートメーション化やペーパーレス化・オンラインやリモート化等を取り入れ、『これをやる必要があるのか』『これが出来ればあれも出来るのではない』等の現状からやり方を変えたり、会社の志向を変えたりして会社が変革するお手伝いをしています。

 

事業承継事業やM&A事業についてくわしく教えてください。

第三者承継には、買い手側と売り手側が存在します。

買い手としては、より安く買いたいと思い、売り手は少しでも高く売りたいと考えるものです。売り手企業が業績好調で企業価値がすごく高いというケースは、スモールM&Aの場合あまりありません。その為、少しでも高く売ることが出来るようにする為に、企業価値を高める必要があります。しかし、事業承継が必要な会社は競争力が足りなかったり、すぐに変化出来る要素がないことが多いです。そこでアナログな業務を効率化したり生産性を向上させたりして、コストを下げ競争力を上げる等、企業価値を向上させます。このようにM&A前に企業価値を上げるお手伝いをしています。

また、二代目への事業承継も支援しています。買い手側や事業承継した側は、多くの方が先代とやり方を変えたいと思われます。しかし、資金にしろリソースにしろあまり変わらないので、余裕がなく変えることが出来ないという方に、やれることからやって効率を高め余裕を作り、新しいことを始める時間を生み出すというお手伝いをしています。

 

御社の強みを教えてください。

差別化を図っている部分としては、M&A支援をされている企業は数字に強いといった企業が多いと思います。企業価値を高く算定したり、手続き等を間違いなくやるという面では、圧倒的にそういう会社の方が強いと思います。しかし、企業価値を高める為には様々な課題があり、その課題を表面的に直すのではなく『課題の根治』根本改善を行い、会社を生まれ変わらせることに価値を置いています

 

御社の強みが生きた事例を教えてください。

製造業の企業で、売上はそこまで高くない会社なのですが、仕事がキャパ以上あるのに赤字続きになってしまっているということがありました。従業員の皆さんスペックが高めで相見積もりになっても基本負けない実力をお持ちでした。

赤字の原因は経営者を始め誰も分からなかったので、原因を探す為に社内全員からヒアリングを行い、全員の業務を一人ずつ一日密着して観察しました。見えてきたのは、無駄な作業や営業の無茶、製造側が売価を知らないためやり過ぎた工程など多岐に渡りました。作業の整理と効率化を行い、顧客との価格交渉や製造現場社員への数字教育を行った結果、年間1000万円の赤字が1000万円の黒字企業へと成長しました。

 

お客様と関わる際に気を付けていることはありますか?

仕事が義務のようになっている状況を根本からなくしたいと思っています。

と言うのも、仕事は生活のために仕方なくやっている人が多いように感じます。本当は家族や友人たちと幸せになるための労働が、1日の大半、もっと言うと年間の大半であり、人生の大半も仕事が占めます。その人生の大半が義務や忍耐というのは何か矛盾しているのでは、と感じます。私は「仕方なく働く」ではなく、「楽しいから働く」に変えていきたいと思っています。

売上向上や業務改善は、従業員の我慢の上にあるのでは長続きしないし上手くいきません。従業員が楽しくやりがいを感じると自主的になり、変化は加速します。その上で、不満に思っていたことや手間に感じていた業務を改善・解決してあげれば、さらに数字に表われてくると思い取り組んでいます。

今後、注力していきたいことはありますか?

M&Aに対して知識がない方が多く、『うちなんか売れない』『大きい企業しか買われない』など偏った認識があります。また、M&Aは、会社を売るとしか考えられてなく、例えば事業部であったり、名前であったりと売り方でも色々とあります。M&Aを経営判断や手段として、経営者が持っていらっしゃらないので、地道に頑張っても経営難や後継者不在の場合、『廃業』しか選べません。経営の選択肢を増やすためにもM&Aを正しく認知してもらえるよう、注力していきたいと思っています。

 

これから事業承継やM&Aを考えている方へメッセージをお願いします。

変わりたいが、どう変えていいのかが分からない方や、何が課題なのか分からなず実行してもうまく行かないと思っている方には、まず相談して欲しいと思います。

相談したら営業かけられてしまうんではないかと心配されるかと思いますが、『結果』と『時間の拘束』を求められない限り無償で相談にのらせていただきます。

コンサルとは、どういうことをやってもらえるものなのか分からないことも多いと思います。また、結果的に相談のみで無償で終わったとしても困っている方をご支援出来たという社会貢献になりますので、ご心配せずにお気軽に相談して欲しいと思います。

合同会社BPRサービス

代表 岡部 吉成 氏