函館出身者と道外出身者が手を取り合い、函館の現状と未来を考えられている株式会社アノニギワイ 山岡 優斗 代表取締役社長と豊島 翔 取締役に函館の置かれている現状と函館への熱い思い。そして函館の活性化をご支援する内容をお伺いいたしました。
(山岡氏)私自身、ビジネスに大変興味があり大学と大学院を含めて法学部を専攻して、将来的に法律を駆使してビジネスをやっていきたいと考えておりました。社会人になってからもその思いは強く、企業の法務に従事し管理部門の立場から様々なビジネスを見てきたのですが、なかなか自分の思い描くビジネスというものに一致しないと感じ、自身でビジネスをやっていきたいと思うようになりました。地域貢献や社会貢献が出来るビジネスを手がけたいと願望を持っていたところ、友人でもあり弊社の取締役でもある豊島から豊島の出身地でもある函館の現状と問題点を聞き、その豊島の熱い思いと事業内容に共感しました。また、私の思い描いていた地域貢献や社会貢献ビジネスという部分でも一致して、地域承継を支援する事業をスタートしました。
人の役に立つ企業でありたい。人の人生を豊かにする事業を行いたい。ひとの思いを大事にしたい。この3つのコンセプトの元、人々の活気や幸せな営みである賑わいを創出する企業でありたいと考え、アノニギワイという社名を付けました。「アノ」には郷愁と想像の二つの意味があり、郷愁は、昔はよかったそう思うあの時代、あの瞬間の「アノ」です。二つ目は想像の「アノ」となります。賑わいといって皆さんが想像するのはどんな光景でしょうか?いずれにしても活気にあふれ魅力的な光景だと思います。想像した「アノ」賑わいを実現する。そういった意味を込めています。この考えは当社の企業使命「あの賑わいを人へ、社会へ、そして未来へ」にも反映されています。
https://anonigiwai.jp/isaribi-recruitment/
(豊島氏)生まれも育ちも函館、大学進学のために東京に出てきました。進学後も年に1・2度帰省していたのですが、帰省の度にお店がなくなっていく。中学や高校時代に友人と行った思い出のラーメン屋さん等もなくなってしまいました。離れていると北海道新幹線開通等の嬉しいニュースも聞こえる一方、地元の暗いニュースが聞こえてくることも多く、どこかで生まれ育った函館をどうにかしないといけないと思っておりました。そう思っている中、コロナ禍になり大変な状況でご苦労なさっている事業者様や大変な思いをされていらっしゃる方も多くいらっしゃる反面、なかなか、函館の様な地方の地域だと進んでこなかったリモート環境の整備やデジタル化への理解が半ば強制的なかたちで深まったのではないかと思います。その結果、離れていても地域に携わることができるのではないかと考えるようになりました。そこで函館の地域貢献・地域活性化に尽力するサービスとして「いさり灯」をスタートしました。本来、「いさり灯」は、漁火と書きます。漁火とはイカ漁船が夜に付ける灯(集魚灯)のことでて光に集まる習性を持つイカを捕まえるために使います。函館は、イカ漁業が盛んだった時代が一番輝いていたと思います。現在は、イカ漁船の数も減って漁火の数もどんどん減ってきてしまっています。その、輝かしい賑わいを取り戻す意味合いと函館の活気に最初の灯(ともしび)をつけるという意味を込めて「いさり灯」と命名しました。
(山岡氏)現在、クラウドファンディングを実施しながら、掲載希望の企業を募集させていただいております。今秋を目途にWebページをオープンし、地域承継の後継者マッチングプラットフォームとして、本格的にサービスをリリースしていく予定となっております。弊社の考える地域承継とは、第三者承継を地域の文化として根付かせることと考えており、地域を承継することによって地域の活性化、人口の流入や雇用の持続、税収の増加等や伝統の継承、ハッピーリタイアメントも行うことが可能になります。マッチングサービスとして函館にある企業の思いや価値観、仕事内容等を掲載し、その内容に共感いただけた後継者候補の方がコンタクトを取れる様なサービスになる予定です。地域の事業者や団体の生き方、考え方、地域との繋がりを知って共感出来れば確度高いマッチングに繋がると考えており、納得のいく継承が双方にとって一番幸せなことだと思っております。弊社は、求人も売却もM&Aもと幅広いニーズにお応えして誰もが幸せになれる地域継承を目指しております。また、行く行くは後継者候補の発掘にも携わっていきたいと思っております。
(豊島氏)函館は日本の市で9番目に人口が減っている地域になります。観光地としては年間多くの方が来訪していますが、人口流出や高齢化の問題から函館経済圏では年間500社が廃業していると言われてます。先日、数十年ぶりに人口が25万人を切るというのがニュースもありました。そうした課題を抱える函館に特化して情報を発信している媒体というのは大きな特徴です。函館特化の承継媒体というのは、存在しておりません。また、インタビューをさせていただいてその方の生き方であったり、地域との繋がりだったりを掲載するというところも特徴となります。更に、求人媒体だと求人だけ、M&A媒体だとM&Aだけ、事業承継媒体だと第三者承継だけといった特化型の媒体が多いのですが、弊社はM&Aも求人も第三者承継も事業売却もお請けします。単純に事業を譲るといったことや後継者として企業にお入りいただく等、様々なものを取り扱っていこうと思っております。承継というと事業者チックに思われると思いますが、我々が目指しているのは企業だけではなく、農業や漁業などの第一次産業、土地や資産の引継ぎ、盆踊りの実行委員会やスポーツクラブなどの集まりなどの承継をテーマにしたありとあらゆるものの承継です。
掲載料のみでM&A仲介料や手数料はいただかないのはそのためで、企業や団体の事由に寄り添った対応ができると思います。また、掲載期間も最初のお1人の問い合わせまで無期限とし、確実に情報が届いている確認がとれてから期間の消化が始まるかたちを取っております。そういった点でも安心してお使いいただけるサービスだと思います。
(山岡氏)まだまだ事業承継やM&Aにネガティブなイメージが強くあることも事実となりますし、地域ならではの第三者承継への偏見へマイナスな感情が根強く存在していると思います。そのイメージや固定概念を払拭するには根気よく、地域の商工会議所や市と連携しながら、事業承継が町を盛り上げて活気つけていくという周知活動を行っていくしかないと思っております。地域の廃業問題は喫緊の課題とされています。函館に限らず地域の小規模な事業者様を支援するべくスモールM&Aと呼ばれる領域に携わることが地域活性化の助力になると考えております。
(豊島氏)クラウドファンディング等で函館に携わることになって、函館出身で生まれ故郷に危機感を持ち、どうにかしたいと思ってはいるという反響を多くいただきました。皆、故郷を憂う気持ちや感じていることは同じだと強く実感しました。この活動を通じて、皆で地域を活性化してアノニギワイを取り戻していきたいと思っています。共感いただける方はぜひ何らかのかたちでお力添えを賜れたらと思っております。
(山岡氏)現在、コロナ禍で観光客が激減し、本当にさみしい現状になってしまっています。しかし、自然だったり観光資源だったりと本当に素晴らしいものがたくさんあります。このまま衰退してしまうのは、本当にもったいないことです。色んな人の助けを借りて皆で協力していけば、まだまだ活性化することが出来る地域だと思います。その助けになれるのであれば何でも協力したいと思っておりますので、ご相談をいただきたいと思います。