医療関係のM&A・事業承継を得意とし、ご支援されている株式会社ベルシステム。どんなに小さな規模の案件でもお客様の想いを大切にしながらご支援されているコンサルティング事業部部長の猿谷氏にインタビューしました。

事業内容について

ーー御社をスタートされたきっかけをお教えください。

創業は51年前で、そこからファイナンス部門のみが2007年に株式会社ベルシステムとして独立致しました。ベルグループは現在、不動産やゴルフ場、学習塾の運営等多岐に渡り事業を展開しています。

 

ーー事業内容についてお聞かせください。

はい、大きく分けて2つの事業を展開しており、ファイナンス事業部とコンサルティング事業部を主軸としています。

ファイナンス事業部ではビジネスローンや、診療報酬担保ローンなど事業融資業務で、法人でしたり個人事業主の方など事業を営んでおられる方がメインの取引先となっております。コンサルティング事業部ではM&A、事業承継や投資事業を行なっております。

 

ーー創業された当初からファイナンス事業とコンサルティング事業の両軸で取り組まれていたのですか?

ファイナンス事業は株式会社ベルシステムとして独立する以前から行っていた事業です。コンサルティング事業は独立してから行うようになりました。

コンサルティング事業をスタートしたきっかけは、長年取り組んできた医療向けのファイナンス事業においてコンサルティングに関するご相談が増えてきたためです。はじめはクリニック等の医療機関がメインの取引先でしたが、昨今では一般企業からの需要も増えてきております。

ファイナンス事業を通して医療機関と関わる中で後継者不足に悩まれている先生が多くいらっしゃいます。ファイナンス事業で既に一定の信頼関係が築けていることもあるため、コンサルティング支援もスムーズに行いやすくお客様にとっても良いサービスとなっています。

 

会社HP:https://bellesystem.co.jp/

 

コンサルティング事業部の特徴

ーーコンサルティング事業部ではどのような支援をされているのでしょうか?

後継者不在に悩まれている医療機関のM&A支援を行っています。大規模なM&Aを専門としているわけではないため、一件一件しっかりとコミュニケーションを取りながら解決策を一緒に練っていくということに重きを置いて取り組んでいます。

また、譲渡先、引受先、仲介者である私たちそれぞれの繋がりを大事にしてサポートすることをモットーに掲げております。ご親族に後継者候補の方がいらっしゃらない場合だと、後世に繋いでいくことがより難しくなります。従業員の雇用や取引先の維持といった経営者視点での想いまでをしっかりと汲み取ることを心がけてます。

 

ーーどのようなタイミングでM&Aに関する相談を受けることが多いのですか?

タイミングは様々です。またご相談内容も多岐に渡り、単純にどのくらいの企業価値に値するのか簡単な算出を希望されるケースや、将来に対する漠然とした不安のご相談もあります。

弊社のM&A支援は売り上げを重視していません。お客様の思いを最優先に取り組んでおり、そのため案件の規模に制限を設けず広くサポートしています。例えば、他社ではあまりサポートされていない1000万円を下回るような極小の案件もご支援しています。

 

ーー小規模な企業様でもご支援されているとのことですが、実際の手数料等も格安設定にされているのですか?

収益ベースで取り組むという考えはなく、規模が一億円以下の案件は最大でも5%となっております。その他の着手金等も一切頂いていません。

実際に最近100万円〜300万円程度で売却されたケースもありますし、小規模になればなるほど手数料が売り手側にとって重くのし掛かってくる中で弊社は安価に設定し、規模が小さいために他社がサポートしない案件もしっかりとサポートしております。

 

医療業界で長年培ってきた強み

ーーデューデリジェンスなど実務も御社で一貫してサポートされているのですか?

はい、そういったM&Aの核となる実務はしっかりとサポートしています。ただし、M&Aにかかる諸手続きはお客様ご自身で税理士に依頼して頂くなどしてご対応して頂いています。低価格でサポートするためにもお客様にできることはご自身で取り組んで頂いております。

 

ーーM&A仲介において御社の強みを教えてください。

長年蓄積してきたノウハウがあるため医療業界の支援は得意としています。
繰り返しになりますが、弊社は人と思いを大切にしているので、創業者様や経営者様の想いに寄り添ってサポートする点も強みの一つです。

また弊社自身も小さな事業所ですので、小回りを効かせて他社ではできないようなスピード感を持って取り組むことができる点もまた一つの得意分野です。実はベルグループとしてM&Aに取り組んできた実績もあり、時には当社で買収や投資が可能であることも他社にはなかなかないポイントだと思います。

 

医療業界におけるM&Aの現状

ーー医療業界のM&Aは一般の企業のM&Aとどのような違いがありますか?

医療機関は売上の形態が一般企業と違うところが特徴的です。
保険収入の売り上げがあるため経営的に安定しているクリニックも多いですが、実は自費診療を行なっているか否かが企業として見た時の価値の判断に繋がります。保険収入だけでなく自費での診療を行っていると企業価値として高く見積もられやすいです。

また、設備の一つにしてもリース契約なのか自社で保有しているのかどうかで大きな違いもあります。外見だけでは企業価値の判断がしづらい点も特徴的です。

 

ーークリニックにおける後継者不足の実態を教えて下さい。

特に歯科業界では、開業医の数が2016・2017年でピークアウトしており右肩下がりとなっています。2025年までに団塊の世代の先生方が引退されるので、後継者不足は今後さらに大きな問題となっていくことが考えられます。

 

事業承継の実例

ーー実際に御社が担当された事例についてお聞かせ下さい。

・70代の男性歯科医師からのクリニックの譲渡のご相談。

オーナー歯科医師の方の「これまで築いてきたノウハウや想いを次の世代にもしっかりと残したい。」という想いの添った支援を心掛けました。通常、数週間から1ヶ月程度である引き継ぎ期間を4ヶ月間設けました。この4か月間で、引継ぎを綿密に行った結果、患者様の離散を防ぐことができ、売上がむしろ増加していきました。

 

・60代の個人事業主様からのご相談。コロナ禍で経営が厳しくなってしまった案件。

本案件は譲渡金が400万円で、相場から見ると非常に格安で、他社だとなかなか扱われない規模の案件です。
ですが、当社の強みである、小回りを利かせながら、先生のお気持ちを汲み取っていき、バトンタッチすることができました。今では引き継いでいただいた先生が、前任の先生の想いを大事に、売上を伸ばし続けられています。

 

・介護事業所の経営者様で介護事業を専門としている方に引き継ぎたいとのご相談。

弊社のファイナンス部門でこれまで築いてきた横のつながりを活かし、中堅の介護事業所へ2億円での売却に成功しました。これまでに多くの医療関係の方々と築き上げてきた関係を有効に活用できた例だと思います。

 

経営者・後継者へ向けたメッセージ

ーー今後の展望、これから注力していきたいことについてお聞かせください。

はい、今後も1000万円以下の小さな案件でもしっかりと寄り添ってご支援していきたいということはもちろん、買い手様の事業承継の支援にも力を入れていきたいと考えています。

 

ーー事業承継を検討されている経営者様と後継者候補様へのメッセージをお願いします。

M&Aを検討されている経営者の不安要素として「どのくらいの企業価値があるのか」「本当に引き継ぎ先が見つかるのか」といったことが挙げられます。ご自身だけで考えるのではなく、まずは気軽に相談に来て欲しいと思っています。

相談に来ていただいて初めて分かることもありますし、私たちもそういった不安を抱えられている経営者様に真摯に寄り添っていきたいと考えています。規模の大小などに関わらず対応可能ですので、小さなご相談ごとでもあれば是非気軽に相談してみて欲しいと思います。

 

 

株式会社ベルシステム

コンサルティング事業部 部長:猿谷 氏