地方の企業やお店を助けて,地域に光をあて地域貢献に繋げる|株式会社ライトライト

後継者不足で悩まれている、地域の小さなお店や企業をご支援されている株式会社ライトライト 齋藤 めぐみ取締役に第三者承継が地域の活性化に繋がる為のご支援内容や起業された経緯等をお伺いいたしました。

ーーー起業した背景を教えて下さい。

以前、地域のクラウドファンディングのFAAVO(ファーボ)というものを10年ほど運営しておりました。その頃より「地域の出身者と出身地を繋げる」をコンセプトとしておりました。FAAVOを運営していた頃からいくつかのフェーズを構想しており。その一つとして、都会にいる方が地方にお金を支援することによって地域との繋がりを持てるというかたち、その次のフェーズが、ずっと取り組みたいと思っていた地域の雇用や仕事という面です、地方から都会へ出た方が戻りたいが地元に仕事がなく、戻りたくても戻れないという現状を変え、U・Iターンを行い易い未来を作りたいと思っておりました。その一方で地方の廃業問題や後継者問題が喫緊の課題になってきている現状がありました。一方は仕事がなくて地方に帰れない方がたくさんいて、その一方で後継者不足で廃業してしまう企業も多くある。この2つを上手にマッチングすることが出来ればより良い未来が生まれるのではないかというところに行きつき、事業承継を行う為にrelayを立ち上げた経緯になります。

プラットフォームのリレイとは、バトンを繋げるリレーから人や事業を様を様々な方に繋げられるようにとの思いからリレイと付けました。

https://light-right.jp/

https://relay.town/about/

ーーー支援内容を教えて下さい。

弊社は、小規模事業者様の事業承継や後継者不足のお悩みを解消するお手伝いを行っております。弊社は0円譲渡といった案件も扱っており、100万円以下の案件が多いので、M&Aのような大きいものとは少し異なりますが、個人事業主様だったり少人数で運営されていらっしゃるようなお店の後継者募集を行っております。その一番の特徴として、オープンネームでお顔とお名前やどのような地域でどのような事業をされているかを透明化することによって、最初から見れる状態で掲載しております。その記事に共感していただい方から応募していただくかたちをとっております。年間5万件が廃業する中で約6割は、後継者不足の為に黒字清算の企業というデータが出ております。この統計は地方にも言えることとなり、すごく利益が出ている訳ではないが着実に運営を行っている事業者様が多く。また、それ以上にその企業やお店が地域の生業を作ってきたり、何十年もそこに根付いてお客様からもすごく愛されていて変えの利かない存在になっていたりと、そういったお店が数多くあります。このようなお店や企業廃業してしまうことを無くす為に支援をしております。

積極的に買い手となる後継者発掘を行わなくても案件毎に応募者からのお問い合わせが集まってきている状況です。2020年の7月から始動して、2020年はテストケースとして宮崎だけの案件で行ったのですが、5件の案件中4件が決まりました。今年に入って全国展開をして、現在取り扱っている案件の内、約4割が既に締結しております。

 

ーーー御社の強みを教えてください。

元々FAAVOを行っていたので、地域のネットワークには強いと思っております。また、地域の方たちとのやり取りやノウハウといったものは蓄積されたものがあります。それに加えパートナー制度をとっている関係で、その地域に根付いていらっしゃる方にお手伝いいただいて、お声がけいただいたり現地でのサポートをしていただいたりしております。なるべく「顔が見えるサポート」というのを目指していて、FAAVOの時に全国110箇所に代理店を設置して運営していたので、そのノウハウが活かされております。現在、20箇所にパートナーさんがいらっしゃるので、地場である宮崎県でなくても各地で「顔の見えるサポート」によってご高齢の方でも安心してしていただけるサービスに支持をいただいております。もう一つの強みとして、弊社は小規模事業者さんに特化しておりますので、他の大規模なプラットフォームだと断られてしまう様な案件もお受けしております。銀行等だと手数料が高額になってしまったり、事業承継支援センター様だと情報がクローズで登録している買い手でないと見ることが出来ないことがネックになってしまっていると思います。そこで情報をオープンにすることでSNS等を活用して全国に発信することが出来、その案件の魅力そのものを広めることが可能となり、他との差別化となって強みになっていると思います。

 

ーーー今後、ご注力したい内容は?

第三者承継という仕組自体をもっとポジティブで気軽なものにしていきたいです。後継者となる息子さんや娘さんがいらっしゃらない方は、廃業か第三者承継の二択しかないと思います。しかし、現状は後継者がいないイコール廃業という選択肢しかお持ちでない方が大多数となってしまっています。ここに第三者承継という選択肢が入ることによって、廃業か第三者承継かを決めるというようにしていきたいです。最近は、第三者承継という仕組が周知されつつありますが、まだまだ拒否感やネガティブなイメージが強いと感じます。特に地方ですと「子供が継がない」というのが恥と感じていらっしゃる方が多く、後継者がいないという実態を知られたくない、認めたくないといった変な固定概念がすごく強くあります。そういう部分を少しずつ取り払っていって、第三者承継というものをもっと気軽で当たり前の選択肢にしていき、価値観を変えていきたいというのが後継者不足で悩まれているオーナー様サイドへの支援の目標です。

また、後継者候補となる買い手サイドに対しては、事業承継とは単に事業を継ぐだけのものではなく、どちらかといえば事業を継ぐことによって事業のリノベーションというか新しい風を取り入れた、第二創業と捉えていただきたいと思います。後継者となる方にとっても新たな挑戦となり、元々ある有形無形の資産を受け継ぎながらご自身のやりたいことや新しいことをどんどん取り入れていって、事業を面白くしていき、その結果、その地域も活気が出て面白くなっていくという様なことが出来れば地域ももっとより良くなっていくと思います。そういう面白い事業承継・自身も周りも幸せにする事業承継をどんどん作っていきたいと思っております。

 

ーーー実例を教えてください。

今まで弊社が取り扱った案件の中で、宮崎県高原町という小さな町にご夫婦で経営されている小さなパン屋さんがありました。そのお店は、天然酵母を使用したパン屋さんで小さいながらも、すごく人気のあるパン屋さんでした。しかし、オーナーご夫婦も次のステップの為、お店を閉めたいと考えていらっしゃいました。しかし、この様にお客様もたくさん支持して下さっていることや地域にパン屋さんがとても少なかったこともあり、廃業してしてしまうと多くの方が困ってしまう為、廃業ではなく誰かに継いで欲しいと思われ後継者を募集されました。その募集を宮崎県出身で千葉県在住の主婦の方がご覧になり、その主婦の方は千葉県のパン屋さんにご勤務されていて、将来は漠然と自分のお店を開きたいと思っていらっしゃいました。またその一方で、お子様が2人いらっしゃってコロナ下もあり、いつかは宮崎に戻りたいという思いも持ってらっしゃったそうです。その主婦の方のご出身が高原町の隣町で、元々このパン屋さんのファンで昔から買いに行かれていたという色々な偶然が重なり漠然としていた夢や希望が一気に現実化していきました。昔からのファンで帰省の度に買いに行っていたパン屋さんがなくなってしまうくらいならば、自身がチャレンジしてみようと奮起されてご応募いただきました。当然、この方に経営のご経験等はなかったのですが、高原町が補助金等の支援やサポートアップもあり、夢であった「宮崎に戻る」「自分のパン屋さんを開く」を第三者承継で実現されました。また、オーナー様も自身のパンを好きなファンの方が継いで下さるということで、ともて喜んで下さりました。当時、この第三者承継は宮崎でも話題になりました。宮崎の全ての放送局がこの事業承継を取り上げてニュースで流れました。

このように明るいニュースとして第三者承継が話題になることも、とても素晴らしいことで、私たち目標としてきた未来像に通じます。また、事業承継された後継者の方にとっても夢を実現する足がかりにもなれて、売却されたオーナー様にとっても自身のパンを好きなファンが継いでくれて、町としてもUターンの家族が増えてと皆が幸せになれた、面白い事業承継・幸せな事業承継の良いモデルケースになったと思います。

 

ーーーメッセージをお願いします。

後継者問題に悩まれているオーナー様には、弊社は売り手様から費用をいただいておりませんので、無料となっております。金銭的なリスクもないので、是非とも選択肢の1つとして第三者承継をもっとポジティブに捉えていただきたいです。ご自身のこれまで頑張られた事業を引き継ぎたい人がいることは、とても素晴らしいことだと思います。長年の努力が認められて、報われることにも繋がります。第三者承継は、決してネガティブなことではないと改めてお伝えしたいと思います。

後継者候補の方にとっても0からご自身で事業をスタートされるよりも引き継いで地域で創業することはメリットもたくさんありますし、お客様もいらっしゃって機材も揃っていて土地もあってと、かなりリスクも低くくスタートすることが可能となります。地域で経営をしてみたいとお考えの方は、是非チャレンジしてみてほしいので、お気軽にご相談いただければと思います。

 

 

株式会社ライトライト

取締役 齋藤 めぐみ 氏

 

事業承継ラボ

日本は大廃業時代に突入するとも言われ、 「事業承継」をいかにうまく行うか。そして、次の世代交代で新たなチャレンジを「IT」と「マーケティング」を活用して実施していく必要がある。 そんな、チャレンジングな強い日本企業の成長を支えて行きたいと考えています。 Facebook URL https://www.facebook.com/jigyoshokeilabo/ Twitter URL https://twitter.com/jigyoshokeilabo