売主様の様々なお悩みや課題を解消するお手伝いを元買い手側の視点だからこそ出来るご支援を提供されているM&A One株式会社 代表取締役社長 吉川 将平 氏に起業された背景やご支援内容をお伺いしました。

ーーー事業スタートした背景を教えてください。

前職でM&Aの買い手として企業に従事しておりました。色々なM&Aアドバイザーの方たちからこんな企業に興味ありませんか等の提案営業を受けて、仲介会社から見るとクライアント側としてやり取りをしている中で杜撰な情報共有のやり方であったり、あまりにも相場との金額が乖離されていたりと違和感を感じるシーンが多々ありました。買い手として色々な案件を見ていると、何年も成約に至っていない案件もあり、そうやってなかなか成約出来ないでいるとどんどんと金額が下がっていってしまい、あげくに放置されてしまっている様な状態にになっていったりというようなことも見てきました。この様な状態を間近で触れ、M&Aに対して理解の浅い事業者が多いと実感しました。全国に400社ほどM&Aアドバイザー企業がありますが、免許や資格がなくてもアドバイザーとして活動出来てしまうのが現状です。アドバイザーの質が安定しない原因はここにあると感じます。買い手側は、M&A自体に慣れていることも多いのですが、売り手側は初めての経験となる方が多く、どうしたら良いかも明確に分かってない方がほとんどとなります。その様な方たちが質の良くない事業者にあたってしまうと、売却も出来ず情報だけが流れてしまっていくという現状を現場で見ていて、とても居た堪れない思いを感じました。そこで、自身のBUYサイドからの視点も踏まえた売主側の支援をしたいと思い起業いたしました。

M&A OneのOneはワンストップでご支援することから付けております。弊社は、仲介は行っておりません。仲介を行うとどうしても売り手と買い手のマッチングが中心となってきてしまいます。マッチングを中心にして成約をゴールにしてしまうと強引な成約になってしまったりする場合や成約までの期間を十分に設けないなどの売り買いに焦点がいってしまい、色々と齟齬が生じてしまう原因になります。しかし、本当に支援が必要なのは事前の準備であったり、売却後のプラン等であると感じております。事業の承継に関わることは全てワンストップで支援を行います。

 

https://maone.jp/

ーーー具体的なご支援内容は?

良いM&Aとは、良いアドバイザーに巡り合い、ご自身の意思を組み込んだ最適な状態で譲渡するということになります。その為のご支援として、セカンドオピニオンというものをご提供しております。会社を売却することの検討自体が、秘匿性の高いことであるために相談相手も限られてしまいます。その結果、一人でお悩みになられてしまう経営者様も多くいらっしゃいます。実際に、中小企業庁からは2020年3月に「適切なM&A支援の判別が難しくなっている」と指摘があり、セカンドオピニオンを推奨する旨の『中小M&Aガイドライン』が出されました。M&Aの経験者が、M&Aに関するあらゆるお悩みにお答えします。弊社が仲介やアドバイザーを行わないからこそ出来る、第三者の立場からアドバイスが可能となります。M&Aの事業者へ情報収集されている中で、この内容は妥当なのか・この情報は正しいものなのか等の些細な違和感でも感じた際に相談に来ていただければ、正確な情報や的確なアドバイスをご提供させていただきます。こちらは月額顧問制をとっていて、ご面談やメール・電話でのご相談に対応しております。また、この様な中長期的なご支援とは対照的なご支援として、例えば近い将来的にM&Aを検討開始しようかと迷われているオーナー社長様が情報収集されるにあたって、M&A仲介企業への相談に同席するスポット的な支援も開始いたしました。

また、どの様なM&Aアドバイザーが優良で自身のニーズに合っているのか等を、見極めるのかなり難しい作業となります。先述した通り、M&Aアドバイザーに免許は不要で、誰でも名乗ることが可能です。また全国に400社近くあると言われており、その中から相手が本当に信頼できるのか、判断が難しい環境となります。そこで当社は、仲介ではない第三者の立場を活かし、M&A支援会社の85%超にあたる330社以上を調査し、M&A経験者による評価分類まで行っております。M&Aはアドバイザー選びが成否を分けると言っても過言ではありません。その為、オーナー様の状況や要望に応じて、最適なアドバイザーを代理選定を行っております。

さらに、譲渡後のことを考えた際にM&Aでは幾つかの課題に直面します。例えば「業務の引き継ぎをする時間が無い」「高齢などの理由から幹部も引退を希望している」「譲渡後の会社を良い方向にしていってほしいが、買い手とじっくり話す機会が少ない」等、M&Aが始まるとM&Aアドバイザーも含め、売主様も買い手様も、お互いの取引や交渉に集中してしまい、なかなかそういった課題に向き合うことが出来なくなってしまいます。弊社は、会社を譲り受けた後の経営管理まで行ってきた経験から、譲渡後の会社で起こることまで、現実を熟知しております。現場を知っているからこそ、行き届いたサポートが可能となり、残された従業員に負担が少ないように、譲渡後の会社が発展するように等の想いを繋ぐ支援パッケージをご用意しております。具体的な内容としては、お忙しい社長様の為に業務の引き継ぎ支援として、社長業引き継ぎ書作成や引退されてしまう幹部社員の後任人材の募集や買い手起業の経営陣宛に、自社の課題や発展の為にできること等をを記した文章を作成し、オーナー様の想いを買い手の経営陣に届ける経営課題引き継ぎレポート作成を行ったりと、その企業に必要な支援を必要な形でご提供する、よろず支援。この三つの柱でワンストップなご支援をしております

 

ーーー御社の強みを教えてください。

まず、他社と大きく異なる点として「アドバイザーになります」ではなく「アドバイザーの選定から、最後まで伴走支援します」というところが明確な違いとなります。数多くあるM&Aアドバイザー事業者の中から、どのアドバイザーを選べば良いかを判断することは売主様には不可能に近いことになります。そこで弊社がアドバイザーの品質もしっかりと見極めさせていただいてご紹介しているところが大きな差別化となっており、弊社の強みとなっています。アドバイザーの選定基準として、まずは、知識が十分か。知識とは、M&Aに対して正確で豊富な知識を持っているか。そして、事業についての理解度と知識量のが選定基準の一つとなっています。もう一つの基準としては、ポリシーの部分となります。売主様の譲渡条件や譲渡後のプランに照らし合わせて、ニーズにあった方を選定しております。M&Aは譲渡して終了ではなく、譲渡した後にどうされたいかまでがM&Aとなりますので、この知識とポリシーの二つを主軸に選定して、最適な方をご紹介しております。

また、セカンドオピニオンのサービスの中で、実際に売主様のお声から考えて生まれた支援がございます。弊社が開催しているセミナーにご参加いただく方の中で、セカンドオピニオンに興味を持って下り、既に複数のM&A事業者から情報収集を熱心にされていらっしゃる方たちがいらっしゃるのですが、その方たちから適切なアドバイザーの判断軸を教えてほしいというお声が多々上がりました。判断軸のレクチャー等はさせていただくのですが、実際に判断や決断をされるのはオーナー社長様になってしまいます。この部分をもっと手厚くご支援出来る方法がないかと考え、ペアワンというサービスを最近開始いたしました。ペアワンの支援内容としては、M&Aのアドバイザー企業等との面談や打合せをする際に、同席させていただくというものになります。同席にすることによって、より的確な判断軸をお伝え出来たり、温度感を持って対応することが出来るようになります。これもまた、独自の支援内容となって差別化ポイントとなっております。

 

ーーー今後ご注力されていたきたいことは?

セカンドオピニオン事業に更に力を入れていきたいと思っております。セミナー等を行っていても、セカンドオピニオンに対してリアクションが大きくご関心を高くいただいておりまして、ニーズが高いことを実感しております。ニーズが高いということは、それだけその分野にてお困りの方が多く、お手伝い出来ることの幅も広いということになります。新しく始動したペアワンというサービス同様に、セカンドオピニオンという分野にて更にご支援を必要とされている方たちにきめ細やかなそれぞれのニーズにあった、売主様に寄り添った様々な形でご提供出来るように日々尽力していきたいと思っております。また、売り手となる中小企業を支援する税理士やコンサル会社などの事業者の支援も今後は行っていきたいと思っております。どの様にそのような事業者の支援をするかというと、M&A仲介業者やコンサルティング会社であったり税理士事務所等がM&Aの相談をお受けしたが得意領域の相違や適切な金額設定が出来ない等で対応が難しい場合に、M&A業務に関する課題解決のお手伝いをさせていただきます。こちらは、M&A事業者を含めた中小企業支援事業者を実務面でご支援するサービスとなりますが間接的に売主様のお助けになる事業として、取り組んでいきたいご支援内容となります。

 

ーーーメッセージをお願いします。

M&Aには、まだまだネガティブなイメージをお持ちの方もおられますが、M&Aは怖いことではないというのを強くお伝えしたいと思います。よく、ハゲタカとか買い叩かれるのではないかというのが印象として広まってしまっているのではないかと思っております。しかし、私自身が元々買い手側として携わっていたからこそ、お伝え出来ることとして買い手は買い叩きません。むしろ、譲渡先として選んでもらう為に色々と手を尽くしてくれます。例えば買い手企業の実名をオープンにして募集されている企業ですと、「当社のグループに参入していただくとこれだけのメリットがあります」等、人材募集に近いものとなります。そして、買い手側の企業としては、1回だけのM&Aがしたい訳ではなく。何回もM&Aをして会社を大きくしたいと考えてらっしゃいます。その為、一回のM&Aで買い叩かれた等の悪い噂がたたない様に慎重に接してくれる企業がとても多いです。そういう面でもM&Aを行うこと自体に怖さを感じないでどんどんトライして欲しいと思います。また、売値も同様に買い叩かれてしまうのではないかと、心配されて高く設定される方が多いのですが、先述した様に買い手側は買い叩こうとせずに合理的に算出をしています。無理に高く設定しまわずに適正価格で出した方が結果的に高く売れたり、早く売れたりします。あまり買い手側を敵視したり、警戒し過ぎずに一緒に会社を大きくするパートナーと思って信頼して、買い手の懐に飛び込んでいっていただきたいと思います。

M&A One株式会社

代表取締役社長 吉川 将平 氏