「中小企業の可能性を引き出す」をモットーとして、会計士としての専門知識と中小企業に焦点を合わせた事業承継支援によりオーナーの悩みを解決に導く株式会社リデルタの代表取締役 國井大地氏にお話を伺いました。
執筆者:桐谷晃世
創業の経緯としては、私の実家は会計事務所なのですが、この業界は60代以上が62%を占めると言われてるほどに高齢化が進んでいるので、会計事務所の領域で事業承継支援ができるのではないかということを初めに考えました。
ただし会計事務所は企業の形としては特殊で生涯現役のような風潮があるので、次第に界隈のネットワークを活かして、事務所が顧問をしている企業の承継支援にシフトしていきました。その対象としては中小企業が多く、具体的には私もよく通っていた飲食店だとかアミューズメント施設だとかの担当をしたこともあります。
そうして支援を続けていく中で、この仕事が地方創生や地場産業の維持にも貢献できているという実感があり、本格的にこの領域で事業を展開していこうと考えるようになりました。
社名は株式会社リデルタといいます。
この意味としては、この「Δ」が差分を表す数学記号であって、「re」が「繰り返し」を表す前置詞で、この両者を組み合わせて社会に対して差分を作り続けていく、すなわち継続的に社会に影響を与え続けていく、という風になっています。
リデルタがある社会のほうが、ない社会よりも遥かに良くなっていてほしい、そうした願いを込めたネーミングですね。
一つは会計事務所の顧問先様の事業承継に対する支援で、Webサービスを組み合わせた包括的なサービスを実施しています。
私自身は監査法人に勤めていた経験もあってМ&Aに関する知識が深いんですが、一方で最初から会計事務所で働いていて税理士一本という方は、M&Aは見たこともなければ聞いたこともないというパターンが多いんです。
すると顧問先に事業承継の課題があったときに、対応できずに仲介業者さんに丸投げするということになってしまう。けれども事前に信頼関係があるからこそ、顧問税理士がその面でもサポートできるということが理想だと思っていて、こうしたサービスが開始しました。
もう一つは、普通の事業承継サービスのように、直接ご相談を受けて仲介を担当するということです。この点では当社の独自性ということはあまりなく、他の仲介会社と変わらない事業を取り扱っています。
最後は海外M&Aです。これは後継ぎがいない、業績が振るわないなどの理由で他所に売却したいという、いわばマイナスをゼロにする作業とは違い、むしろ明確にプラスを狙っていく「攻め」の事業です。
具体的にはもっと事業を拡大していきたいという顧問先様に対して、国内のみならず人口が増加しているAS\EANに進出していくことをご提案して、現地の会社を買収し、実際に進出する過程のサポートをいたします。
このような三点を大きな軸として事業を運営しています。
地域によって違いはありますが、特にコロナ禍の中では飲食業が非常に多かったのと、地元の観光業も多かったですね。今で言うと、製造業であったり、電気工事をされている会社であったりが数としては多い印象です。
地域としては全国対応していますが、やはり北関東をメインとしているので、茨城・栃木・群馬・福島で重点的に活動しています。当社は北関東に強いネットワークを持っておりますので、先述の県で事業承継を考慮されている方はぜひご相談ください。
我々の強みは、やはり会計士であるからこその専門性ということがあります。
現在のМ&A仲介は営業力がとても重視される一方で、専門知識や実際の経験には特段着目されないので、言ってしまえば不動産業界のようになっているという印象があります。
それに比べると僕たちにはやはりプロフェッショナルですし、担当する企業の多くが知り合いの税理士の顧問先という特色もあって、他社よりも丁寧に密着して課題を解決していくことができるんですね。
加えて私たちは会社としてはスタートアップに当たるので、積極的にテクノロジーを利用していくということを意識しています。やはり会計事務所だと年齢も高いですので、柔軟性を活かして事業承継のマーケットにも会計事務所のマーケットにもポジティブな風を吹かせたい、と考えています。
はい、つい先日から事業承継に関するセミナーを開始しました。
これは会計事務所が提携しているお客様からのニーズを受けて実施していますが、基本的には私がなるべく初心者の方にも分かりやすく、かつ専門的な内容を、実際の事例を踏まえながらお話しています。
この魅力としては、当然プライバシーには最大限配慮しますが、現実の成功例や失敗例をできる限り掘り下げていくことで、皆さんの多様な疑問に答えられるようなディープな内容を提供しているということだと思っています。
さらにはその後にご相談がある企業に対しては必ず個別に時間を取ってお話をしているので、事業承継に対して鮮明なイメージを持っていただくことができるんですね。
やはり売り手側の立場ですと、事業承継というものは一生に一度しかないので、失敗できないというのは分かっているけれど、だからこそ何から始めればいいのか分からないということが大変な問題です。
だからこそしっかり伴奏できるような形で、他のスタッフに任せるということはなく、私が責任を持ってケアを行っています。
先述した通り、やはり事業承継は基本的に一生に一回しか経験することがないので、不安になるのも当然です。
そしてだからこそ相談するという経験を積めずに、事業承継のノウハウ自体もあまり広まっていかない。これはもう業界構造としてそうなっている側面もあるのですが、僕らとしてはそこに踏み入って、誰もが安心して、もっと気軽に、承継の課題についてお話するような環境を作っていきたいと思います。
我々は会社としてはまだスタートアップの段階であるからこそ、1人1人のお客様と向き合うことができる体制となっています。何か事業承継について不安を感じている方は、気楽に相談してもらえれば嬉しいですね。