M&Aから経営統合まで 一気通貫の支援により効果的な企業成長を実現 |株式会社M&A PMI AGENT

上場企業において10年以上M&A仲介や成約後のPMI(Post Merger Integration)を担当し、その知識と経験を活かして「PMIが得意なM&A仲介会社」である「M&A PMI AGENT」を創設した代表取締役 日下部 興靖様にお話を伺いました。

2024年4月に設立された株式会社M&A PMI AGENTですが、独立のきっかけを教えていただきたいです。

私は元々は複数の上場企業で10年間ほど、M&A(買収側)やPMIの担当を務めていました。

具体的にはグループ会社4社で取締役を経験し、経営企画のポジションでも対象企業に出向しているPMI担当者にアドバイスを行うなど、対象企業を発展成長させる業務を行ってきました。

その経験の中で、「成約することがゴールになっている」「PMIを行わない企業が多い」というМ&Aにおける問題が次第に気になり始めました。実際に昨今では中小企業庁が中小PMIガイドラインの制定などの対策に乗り出すなど、M&AにおけるPMIの軽視は既に社会問題化しています。

事業承継の選択肢として親族・従業員への承継ができない場合、M&Aでの事業承継(事業の存続)が選択肢として上がりますが、そのM&Aの成功率が低いことは経営者に廃業を選択させる確率を増やすことになるでしょう。

そしてその解決策としては単純にPMIを担当できる人材を創出することになるのですが、その事業としての特性上、得てして担当者は社長か役員クラスの人間であることが多いです。経験者が転職市場に表れることがないので、ノウハウが出回ることがなく、知識が蓄積されないんですね。

そのようにまだまだPMIへの取り組みが浅い現状において、これまでの自分の経験や利用してきたツールを提供することは、M&Aの成功率を高め、引いては事業の廃業を減らす役に立つと思いました。

このような経緯から、M&A PMI AGENTの起業を決意いたしました。

 

【M&Aの社会問題化について】

中小企業庁は、中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤を構築するため「M&A支援機関登録制度」「中小PMIガイドライン」を制定しました。これは裏を返せば、現在のM&Aは安心して取り組めないものという位置付けがされているということです。

また、日本の経営者の高齢化・後継者不足は喫緊の課題となっていて、日本商工会議所 「事業承継に関する実態アンケート」調査結果によると、経営者の平均引退年齢は72.2歳(※1)である一方、帝国データバンク 全国「後継者不在率」動向調査(2023年)による後継者候補が決まっていない企業の割合は53.9%(※2)と高く、早急な対策が必要とされています。

※1日本商工会議所 「事業承継に関する実態アンケート」調査結果

https://www.jcci.or.jp/news/research/2024/0322120000.html

※2帝国データバンク 全国「後継者不在率」動向調査(2023年)

https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p231108.html 

M&Aを実施する際に、よく見られる失敗例や注意点について教えてください。

 失敗の要因は、ほとんどの場合二つに分けることができます。

 まず一つはその買い取り価格の見誤りです。

企業の価値は流動的に変動するものですが、どうしてもその会社がほしいと言って、回収できる採算が付かない価格で買収してしまうというパターンですね。

 その場合は投入した費用を回収するため、買ってしまった後に役員を任された人たち、それに買われた会社の従業員が無理な働き方を要求されるという、非常に不幸な結果になってしまいます。

 もう一つは、先述したようにそもそもPMIをしないパターンです。

PMI担当者がいないということは、買った会社と買われた会社の従業員の間で意思疎通が行われないので、考えを一方的に押し付けるやり方が多くなりがちです。すると会社全体が疲弊して優秀な人材が流出していき、内部がスカスカになって価値がなくなってしまうんです。

 一方でPMIを丁寧に進めている場合は、従業員へのヒアリングを実施し、その不安を理解して、親会社の意向や方針を説明し、両者の理解を擦り合わせていくことができます。
そうすることで、買収した企業の問題点を洗い出し、さらに業績を伸ばしていくというM&A本来の目的を達成しやすくなるんですね。

 以上のように、買い取り価格の見誤りとPMIの軽視という二点が、M&Aの際に最も注意すべきことだと思います。 

M&A PMI AGENTの社名の由来や想いを教えてください。

PMI(Post Merger Integration)という用語を押し出していくことで、その知名度の向上に努めたいという想いがあります。

中小企業庁がアナウンスを出しており、また多くのM&A仲介会社も「M&Aの成功はPMIにかかっている」というメッセージを発信していることから分かるように、M&AにおいてPMIを欠かすことはできません。

にもかかわらず、Google検索でもヒットするのは用語解説という程度のページばかりで、実際にPMIの実施を依頼できる企業は中々見つからないというのが現状です。

M&A仲介会社がPMIを軽視する傾向にあるのも、こうした知名度の低さと無関係ではないでしょう。

なので、まずは「PMIとは何か?」「なぜ必要なのか?」を知ってもらうためには、PMIだけではなく、「M&A PMI」とする必要があり、「PMIを支援する人」の印象をつけたかったので、「AGENT」をつけて会社名としました。 

株式会社M&A PMI AGENTの事業内容を教えてください。

当社の活動目標は「M&Aを成功に導くこと」であり、その判断軸は「M&Aの成功率」です。成功率を高めることに焦点を当てた結果として、以下のサービスを提供することにしました。

  1.       M&A仲介
  2.       セルサイド・デューデリジェンス
  3.       PMI支援サービス「PMIエージェント」

多くのM&A仲介会社とは異なり、仲介からPMIまでを一気通貫で支援することで、M&Aの成功率を高めます。

それとともに、経営者自身が気付いていなかった自社の問題を事前に把握するためにセルサイド・デューデリジェンスをご提案することで、課題の存在を事前に把握・対処し、買い手側に安心して引き継いでもらえる交渉を実現します。

この場合、相談から成約までは半年から1年ほどかかる想定になります。期間をかけて丁寧にプロセスを進めるからこそ、対象企業のことを「強みも弱みも知り尽くした存在」となり、その発展に貢献できるんですね。

このように、成功率の向上という観点から、上記の3つのサービスを提供できる体制を整えております。 

 

PMIエージェントはどのようなサービスですか。

端的に言えば、M&Aを成功に導くための「家庭教師」のようなサービスだと思っています。

サービス内容としては、週1回のペースで対象企業を訪問し、実際に現場においてPMI担当者と共同してPMI支援を行います。これは週に何度か自宅まで勉強を教えに来てくれる「家庭教師」を想像すればイメージしやすいかと思います。

詳しくは以下のページや資料をDLしてサービス内容を確認してみて下さい。

https://www.ma-pmi-agent.co.jp/lp/

 

サービスの存在理由としては、前述したように現在は業界全体でPMI経験者が育っていないという問題があるからです。

M&Aという多額のコストをかけた投資を行っているにもかかわらず、その成功を左右するPMIの経験者がいない。これでは、成功率が高くなるはずがありません。

投資対効果を最大化させるためにも、PMIの経験者が実際に支援を行うサービスが必要と考え、PMIエージェントをリリースすることにしたのです。

PMIを中心にM&Aの支援をする中でどのような時にやりがいを感じますか。

やりがいを感じるポイントとしては2点あります。

1つはやはり業績が上がったとき。売上・利益の向上のように目で見える成長をもたらすことができれば、ビジネスマンとして喜びを感じます。

2つ目は、感謝されることです。それはもちろん買い手側の企業から感謝を承けることもそうなのですが、譲渡企業の従業員から「ありがとう」を頂けたときには格別のやりがいを覚えます。

譲渡企業からすれば、譲渡される以前の業績が悪かったからこそ今があるわけですし、買い手側からの新たなノルマというプレッシャーもあるわけです。そんな中で業績向上のボトルネック解消により企業としての発展を促せれば、従業員も「働くことの楽しさ」を感じてくれるようになります。

M&Aの成功・失敗は「天と地ほど結果に差がある」ものですから、誰もが幸福になるM&Aを達成できたときのやりがいは私にとって格別なものですね。 

今後の展望を教えていただきたいです。

まずは1件1件のPMIを確実に成功に導くことで、成功率100%を目指します。

これはPMIを経験すれば分かることなのですが、同じ会社はこの世に存在しないんですよ。業種業態が異なることはもちろん、似た会社でも時間をかけて観察してみると、それぞれ違う部分があったりします。ですのでそうした違いを尊重した、企業に寄り添ったPMIを心がけています。

そしてその後はPMIエージェントの人員を増やして、全国に広めていく。

そうして近い将来、「M&AをしたらPMIまでするのが当たり前」な業界にすることで、事業承継の選択肢として安心してM&Aを選ぶ経営者が増えるようになるよう、頑張っていきたいです。

 

事業承継ラボの読者[事業譲渡予定の経営者]にメッセージをお願い致します。

経営者にとって、今まで大切に育ててきた企業を手放すというのは、とても勇気がいる選択だと思います。

・苦楽を共にしてきた従業員の今後の生活がどうなるか?

・M&Aをした後で、何かトラブルにならないか?

心配事はたくさんあるに違いないでしょう。だからこそ、「成功するM&Aなのか?」という判断軸を持っていただきたいです。

例えば、仲介会社に「PMIまで面倒を見てくれるのか」と聞けば、「譲渡後にPMIに立ち会うことはできませんが、PMI計画の立案はお手伝いできます」と回答すると思います。

しかしPMIや対象事業の経験のないアドバイザーが、机上の空論で作成したPMI計画がきちんと機能していたら、今までのM&Aの成功率がこんなに低いことはありません。現場を見ずに作成された計画は、役に立たないと思っておいた方が良いでしょう。

M&Aの成功を目指すのであれば、以下のページで紹介している譲渡までの流れ(図)を理解し、譲渡先の企業にも「どのようなPMIを行うのか?」「PMI経験者はいるのか?」などを確認してみるのがよいと思います。

https://www.ma-pmi-agent.co.jp/tip/transfer/

成功を目指した譲渡先企業であれば、成約後のPMI担当者や計画を立てており、どんなプロセスで成功させていくのか、きちんと説明してくれるはずです。

そのような譲渡先企業と出会うためには、最低3社のM&A仲介会社に相談してみて下さい。きっと、御社にとって「どんな仲介会社が最適か」がわかるはずです。

もしも、御社にとって最適なM&A仲介会社・譲渡先(候補)企業が見つからなければ、お気軽にご相談ください。M&Aによる事業承継の成功に向けたお手伝いを、全力でさせて頂きます。

事業承継ラボ

日本は大廃業時代に突入するとも言われ、 「事業承継」をいかにうまく行うか。そして、次の世代交代で新たなチャレンジを「IT」と「マーケティング」を活用して実施していく必要がある。 そんな、チャレンジングな強い日本企業の成長を支えて行きたいと考えています。 Facebook URL https://www.facebook.com/jigyoshokeilabo/ Twitter URL https://twitter.com/jigyoshokeilabo