「伝えたいこと」をずっと残り続ける形あるものに|株式会社com-text

編集×PR事業を展開するとともに、書籍制作サービス「エンディングブック」を展開し、終活や事業承継の一環として「伝えたいこと」を本という形で後世に遺す株式会社com-textの代表取締役  平 昌彦様にお話を伺いました。

執筆者:桐谷晃世

株式会社com-textの事業概要について教えてください。

 株式会社com-textは、編集 × PR + ブランディングのコンサルティング事業を展開しています。

 具体的には、編集およびPRのコンサルティングや、コンテンツ制作、記事制作、メディアリレーションといった業務を主に請け負っております。

 私はフリーランスの経歴が長く、自分たちが主導してサービスを展開したいという思いからこの会社を創業しました。活動歴はまだ1年程度ですが、独自のサービスとして「エンディングブック」をスタートしております。

「エンディングブック」の開発のきっかけを教えてください。

「エンディングブック」とは、自身の経験、思い出、自伝、エッセイ、フィクション、知見、持論、経営哲学、メソッドなど、伝えたいことをなんでも自由に本としてまとめられるサービスで、用途としては終活や事業承継の一環としてご利用いただけます。

ただし初期構想とは異なっていて、当初は「遺言状を書籍にする」ということがコンセプトでした。

昨年末に祖母が亡くなったのですが、祖母は私が編集者をしていることを知っていたので、自分の自伝を本にしてほしい、ということを言っていました。その希望が叶わないうちに逝去してしまったのですが、ならばその意思を引き継ごうという考えからを開始したんです。

そうして周囲へのヒアリングを進めていくと、「そのアイデアは事業承継にも使える」というご指摘がいくつかあり、現在のように「伝えたいことを本としてまとめる」というより広いコンセプトを採用しました。

 そのような経緯で、現在は「終活」と「事業承継」を主な用途として想定しております。

「エンディングブック」のサービス名の由来や想いをご教授いただきたいです

 最初はよりストレートに「遺言」を連想させるサービス名を付けていたのですが、サービスの対象を広げるに伴って、より抽象的な「エンディング」という単語が適切だと感じました。人生だけでなく、事業を含む何かが終わったり変わったりするような節目に活用していただけたらと考えています。

そして自身にまつわる情報や遺産相続に関する希望などを書き留めておく既存の「エンディングノート」にあやかり、さらに書籍という形態を尊重するという意味合いも込めて「エンディングブック」と命名しました。 

「エンディングブック」のPRポイントを教えてください。

 一番大きいのは、商業出版レベルのクオリティで自身の思いを書籍にできるということですね。これは商業的な書籍の制作に関わってきた我々の経験があってこそです。

 出版形態としては基本的に電子書籍をお勧めしておりますが、必要に応じて紙の書籍にすることもできますし、他の出版社にご協力いただき書店の流通に乗せることも可能です。

 電子をお勧めしている理由としては、もちろんコストや在庫の問題もありますが、それと同じくらいに後から大幅な修正ができるということが大きなポイントです。

 ただでさえ人の考え方は変わるうえ、昨今では価値観の変化も激しくなってきていますから、出版した後もどこかを修正することが可能というのは便利です。このため原稿の追加、修正も永久保証で承っております。

 このようなクオリティとカスタマイズ性の高さを兼ね備えているところが、「エンディングブック」のPRポイントとなっております。 

「エンディングブック」のサービスは事業承継を行う上での具体的な活用ケースを教えていただきたいです。

「承継」と「継承」という言葉の定義の違いについては、曖昧な部分もありますが、「継承」は形あるものを受け継ぐという意味合いが大きく、「承継」は形のないものも受け継ぐ場合にも使う、という説があります。

事業を単に「継承」するだけであるなら、物質や数値の移動で済む話です。けれども、それと同じくらいに先代の思想、想い出といった形のないものを受け継ぐことが大事であるからこそ、「承継」という言葉が使われているのではないか…。

そう考えたときに、実際に「承継」を行う手段として、「エンディングブック」を活用していただきたいと考えております。

事業承継に際して親子で言い争いになったり、意見が合わないというケースはしばしばあり、そういう場合は考え方の違いが原因だと一般に言われています。

けれども、そもそもその考え方が互いに伝わっていない部分もあるのではないでしょうか。口頭で断片的に説明するだけであったり、感情的になって議論が進まなかったり、親子という関係だからこそ起きるトラブルは多くあります。

それをいったん「書籍」という形に整理することで、自分の思想、考えをすべて説明するツールとなります。その結果、親子間に限らず関係の円滑化に貢献できるのではないでしょうか。

そのように、伝えたいことをきちんと伝えるためにこのサービスを活用していただけると、私たちとしてもサービスの展開し甲斐があると感じます。

「エンディングノート」との違いを教えてください。

 この分野は私も専門ではありませんが、「エンディングノート」は自分に関する情報や、遺産相続に関する希望などを書き留めておくもので、親族や後継者の事務処理のために情報を伝えるという意味合いが大きいと考えています。

 また「ノート」ですから、情報は必要最低限で、読みやすく効率的に記述されていることが求められます。

一方で「エンディングブック」に関しては、先ほどもお伝えしたように伝えたいあらゆる事柄を書き留めておくことができます。

経験や思い出を写真とともにまとめた超大作の自伝でも、経営理念のエッセンスをコンパクトにまとめた経営本でも、利用される方の思うがままに記述することができるのが「エンディングブック」の特徴であり、利点といえます。 

平様が考える「エンディングブック」の今後の展望を教えてください。

 まず事業承継に際しては、先述したようにすれ違いや関係の破綻を減らすことに貢献できればと思っています。

 またそれ以上に思いを書籍にするというこのサービス自体についても、いまだ私が考えている以上の可能性を秘めている可能性があります。

 現在のサービスを基礎にして柔軟に調整を続けたり、AIを活用するといった新たなサービスを開発したりしながら、伝えたいことを深堀りしつつわかりやすい形でコンテンツ化していきたいいと考えています。

 

事業承継ラボ

日本は大廃業時代に突入するとも言われ、 「事業承継」をいかにうまく行うか。そして、次の世代交代で新たなチャレンジを「IT」と「マーケティング」を活用して実施していく必要がある。 そんな、チャレンジングな強い日本企業の成長を支えて行きたいと考えています。 Facebook URL https://www.facebook.com/jigyoshokeilabo/ Twitter URL https://twitter.com/jigyoshokeilabo